物心がついたときから一緒にいて


いまさら「好きだ」なんて言えなかったんだ・・・


だから君を、こんなにも傷つけた













 と も だ ち 〜前編〜














「大和、彼女来てるよ」

「彼女じゃないって言ってるでしょ、ただの幼馴染だよ!」





今日はバスケ部の試合の日。

俺の通っている中学のバスケ部はけっこう強く、今日も順調に勝ち進んでいる。





〜、何してんの?」

「ん?いや見に来ただけ」

「・・・来ないでいいってば〜」

「いいじゃん別に・・・大和がバスケしてるとこ見るの、好きなんだもん」









は俺の幼馴染


何でも話せて、俺のどんなに弱い部分も見せられる・・・そんないい関係の友達









でも、いつからかのことを・・・女として見るようになってて


そんなこと、今更言えないけど













「あ、そうだ大和」

「ん?」

「はい、これ!」

「・・・何これ?手紙?」

「うん、ちゃんからだよ!ほら、彼女さ〜大和のこと好きだって言ってたでしょ?」

「・・・あ〜そだっけ?」

「もう!ちゃんと覚えててよ!」

「だって、どうでもいいし・・・」

「はぁ・・・色気ないな〜大和は」





体育館の隅で話しているから、俺たちの会話は、周りにはあんまり聞こえていない

何試合か終えているから、俺は汗びっしょりで、タオル巻いてるけど汗が冷えててちょっと寒い





てか・・・そんな手紙なんてどうでもいい、に決まってる

俺が好きなのは。俺が欲しいのは。俺が見ているのは・・・、お前だけなんだから






「ねえ、

「なに?」

「俺に・・・さ、彼女出来たら・・・うれしい?」






遠まわしにしか聞けない・・・自分の弱さに嫌悪してしまう

でも「好きです」とは言えなくて、こんな姑息な手段に出るしかなくて






は、一瞬驚いた顔をしていたけど、すぐにニコッと笑って答えた







「うれしいよ?当たり前じゃん、だって大和は、あたしの大事な・・・」

















言わないで


















その次の言葉は聞きたくない・・・





























「・・・んんっ!?」




の腕をグイッと引っ張って、俺はの口を自らの口で塞いだ

離したら、あの言葉の続きを聞かなくちゃいけないような気がして・・・




の腰をグッと引き寄せ、さらに深いキスをする




周りの目なんか気にならなかった

ただのことしか考えられなくて・・・







「んぅっ・・・!や、まと・・・っ!!やめてっ!!!」


ドンッとに胸をつかれ、俺は唇を離した

ふと見ると、ポロポロと大粒の涙を流すの姿




「ひっ・・・く・・・やぁ、ま・・・なんで・・・っ」

・・・俺・・・っ」

「も・・・やだぁ・・・っ」








の瞳から溢れる涙を拭ってあげようと手を伸ばすけれど、は首を振ってそれを拒む

俺はもう・・・彼女にふれることさえ、許されないのかな・・・









不器用な自分がすごく嫌で

好きなのに、大好きなのに・・・その気持ちをうまく伝えることが出来ない









そして彼女を傷つけて










俺は、なにがしたいんだろう・・・








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はい、え〜と・・・やぁまとちゃんがまだ付き合う前の話です。

無駄に長くなってるので、前編と後編に分けますね^^;

不器用で、だけどいつも一生懸命に突っ走る、そんな大和がアタシは大好きです。